「プロジェクトX」 日本初のマイカー

はっきり言って、つまらなかった。

あれは「車を開発したある技術者の感動の家族愛のお話」であって、「車の開発を巡る技術者たちの執念の戦い」を期待した自分がいけなかったんだな、きっと。うん、そうだ、多分。
プロジェクトXじゃなくて、にんげんドキュメントだったことにしておこう。おこうな・・・。

VHS開発のビクターや液晶のシャープの回のように、ものづくりに重点を置ていなかったのが残念だ。
ねじり棒ばね(TB)を作ったメーカーの社員としては、物足りなかった。
どう改善をしたのか今ひとつはっきりしていないし、番組ではTBの成功がカギのようだったが、大きなエンジンでも一気に登れない坂を上がるには、360ccエンジンの開発の方がうんと苦労したと思うんだけど・・・。

でも、面白い点もあった!
現在は、へたりをなくす為に必ず行われる「ショットピーニング」という工程(細かい金属球を打ちつけてばね鋼の強度を高める)が、あの頃は行われていなかったのは驚きだ。そりゃ、ぽきぽき折れたでしょうに。
TBは今も小型トラックに使われるけど、形状も取付位置や方法も違っていて、あれに似たものはねじれ防止のための別の製品で、衝撃吸収をするものではない。
そういうことを思って見ると、面白いわ。
しかし、あれを”番組に出た”とお知らせするかね?”協力した”とか”映った”じゃないか。

車が家より高価だった頃の話。
360ccに4人も乗ろうとしたなんて。そのために車のボデーを薄くしたり、サスを変えたり・・・。きゃー危険!(料理の先生は、若い頃あれを運転中ひっくり返り、町内の有名人になった)それを運輸省が認可していた、とおーい昔の話だ。
ちっちゃいかわいらしいデザイン。マイカーは皆の夢だったのね。
もし、車が普及しなかったら、私が今この会社で働くこともなかったってことだ。

*NHKとうちの会社はビミョーな関係。くくっ。テロップが可笑しかった。会社名が・・・。
(わかる人にだけわかる)