スイカ姉妹

隣の席のKさんが、家の畑で作ったすいかを持って来てくれたので、おやつに切って配った。
つい口ずさんでしまう「タッタタタッタチャッチャチャ〜すいかの名産地ぃ〜♪」←ちゃんとイントロから。
日本ではこの夏、すいかを見てこれを歌う人がどれだけいることか。私は大勢の中の一人。
こんなのを踊りたがるのはNだけなので、2人で踊った。
Nも私もゴロウになりたくて、取り合いをした。ポイントは無表情であるのに、げらげら笑ってしまったスイカ姉妹。失格だぁ!

5年以内に定年を迎えるKさんは、数年前から畑と耕運機を借りて農作に勤しんでおり、今や趣味とは言えないくらい本格的な農業人だ。そばを収穫して手打ちそばなんか打ったりして、プチダッシュ村のKさん農園。
だから、私らは食べきれない野菜や苗をちょくちょく分けてもらえるのだ。

Kさんの作ったすいかはとても甘くておいしかった。
すいかは好んでは食べないので、3〜4年に1度くらい、今までに10回くらいしか食べたことがないのだけど、今年は既に2回目。5年分以上を一週間で食べてしまった。
すいかって、机も手も口も服もあちこちべたべたして汚くなるし、種を噛んだら不快だし取るのも面倒だから、避けたい食いもんなのだ。ごめんよ、スイカ。おいしいのに。
その点、蟹に通ずるものがある。蟹も、汚くなって何回も手を洗ったりして、煩わしい食いもんだ。
でも、有り難がって食べられたりして、すいかにとって蟹は不公平で疎ましい存在に違いない。