前に倒れる

今月末でうちの課のGが退職することになった。奥さんの両親が現在暮らす、北海道の或る町へ移るのだ。
定年後、横浜を離れその町に住み始めた義父さんが春に倒れ、介護ではないが近くに住むことにしたそうだ。1坪5万。自分の家も建てるらしい。
田舎の町なので大きな企業はなく、次の仕事は近くオープンする老人ホームの事務だ。(福祉関係に就きたいわけではなかったらしいが)

昨日は課の送別会をした。
一次会がパン屋(料理がとてもおいしい)で二次会ボウリングと言う変な送別会。
楽しかったぁ。
いつもは飲まないGがへろへろ酔っ払った!眼鏡に座って壊し、酔っ払いのび太君になって投げたのに絶好調。おかしい。
その後、今時撮るか?プリクラ。全員で入り顔に落書きした。おでこに「肉」、私はバカボンのパパの鼻毛を書かれた。くそー。
黄色(Gのテーマカラーだから)のマフラーあげようと言うことになったが、まだ出ていない。「黄色いもの、黄色いもの・・・」探したけどいいものがないので、普通のラガーシャツをあげた。「キムタク風ラガーシャツ」と言って(どんなだ?)いい加減な付加価値を付けたら大層喜んだ。

Gは北海道の暮らしや向こうの家族がとても好きだし、何事もなんとか楽しくやって行きそうなヤツなので、事情は兎も角、私は「明るい退職」と感じた。
しかし、上司たちは何度も「つらいかもしれないが」「何事も前向きに考えて頑張って」と言う励ましのような慰めのような言葉を繰り返していた。「今も納得がいかない」とも。
確かに、上場企業で有能と言われていた人なのにと思えば惜しいのかもしれないが、Gの選択もそれはそれで悪くはないと思う。
その言葉を受け、挨拶で彼は「どうせ倒れるのなら後ろに倒れるんじゃなくて、前に倒れようと思います」と言った。
そうだよ!私はこの言葉に感動で泣きそうになったよ。(ゴロちゃんやSMAPに言ってあげたいと思ったってのもある)
とりあえず、人間は前を向いてるのだからなんとかなるさ。