『身毒丸 ファイナル』 愛知厚生年金会館

火花と溶接の匂い、幻想的なプロローグ。

象徴という見えないものが、形で表現される。「母」と書いた面をつけた女たち。顔が消えた母の遺影。家族合わせの絵札。家の象徴の印鑑。
TVや映画なら映像やナレーションで現す処の心の中は、後方でダミーが演じている。
折檻の場面の幕と音楽の桜の木には、どういう意味が?
終盤、卒塔婆の傍らで家族合わせの絵札を読む身毒(藤原)のもとに、継母・撫子(白石)が現れる。母子になれない母子は、「家」が崩壊した時、ただの女と男になる。
命を注ぎ込まれたような表情の身毒丸
全ての柵が消えた2人は(幻想シーンの偶像たちもいなくなる)、静かに去っていく。
火花と溶接の匂い。

カーテンコールで、手をつないで挨拶をする2人は親子のようでもあり、恋人のようでもあり。藤原竜也に手を取られて笑う白石加代子が、とっても可愛らしくて、涙が出てきた(涙腺よわーっ)。ワケ分らないヘンな子・藤原竜也が、舞台ではこんなにも変わるのかと驚いた。
舞台で輝くって、こういう人たちのことを言うのか。もう見られないのが惜しい。
彼は、5月に三池崇史監督のドラマ「SABU(さぶ)」をやる。以前スマ仲間で、これを木村にやって欲しいと言う意見があったな。楽しみ。

一度きりなので、前もってストーリーを読んでおいた。
武田真治のビデオも借りたが、迷って先に観るのはやめた。後で見たら、演出やセリフはほぼ同じ。違うのは、身毒丸役と、洗濯のシーンが行水になった点くらいか。音楽とその場面と匂いが一緒になってはっきり蘇った。
身毒の印象が違う。危うさや葛藤が激しく感じられたのが、藤原竜也武田真治は青い炎を内で燃やす感じ。イメージは武田は青で、藤原は赤。(なんて曖昧な表現・・・)
それぞれ良いが、やはり先に見た生が強烈。寺山修司演出の「天井桟敷」のビデオもあったので見てみたい。

どっちを先に知るか。原作がある時に迷うこと。
私は、先に見たものがスタンダードになってしまうから、「模倣犯」は映画を先に見ようと思う。文庫はまだまだ出ないだろうしね。

【おまけ】
ほぼ裸の巨乳女相撲の踊りに、目を奪われたわー。ギラギラ。
VIVA AMIGOSの時、ナゴヤドームに8人のオッパイ星人が現れ、「ジャンプするとオッパイは弧を描く」と観察した木村が報告していたが、確かに弧を描くことを確認しておいた。(但し、爆乳に限る)
すげーっ。