「マクベス」 大阪・近鉄劇場 2

(1から続く)

・血を浴びた戦士や戦闘シーンの迫力が、舞台にとても近かったため、血糊の艶、剣の当る音、火の匂いや温度でも感じられて、ストーリーそのものが怖いのに、更に不気味さや迫力が増してドキドキした。
会場を縦横無尽に走り、舞台の転回も多い。六平さんのバンクォー、怖かったー。

でもって、等身大の姿に、肉声。
芝居とは全く関係なく、「唐沢くんの血管が見える。爪も汗も見える。生声だ。」ってことだけで既に興奮気味。(実はあっし、スマファン以前は、端役時代から唐沢一直線だったりなんかした。)
独白シーンでは、間近なのに双眼鏡で覗くという荒業を。
目に涙が溜まり落ちていく様子に、一緒に涙目に。息をするのを忘れそうになった。

家出同然で演劇集団からこの世界に入った唐沢くんは、TVで人気を得て、野田秀樹に見出され念願の舞台の人になった。
今やこんなに一端の人になったなんてと、勝手に親心。
大竹しのぶとのコンビは野田版の「真夏の夜の夢」以来か?
私が初めて観たのは、BS「出口なし」だ。
当時は知らなかったが、あれは三谷幸喜の演出で、今、三谷作品に多く出ているのはこれがきっかけなのだろう。
好きな人たちがサークルのように繋がっているのが、嬉しい。
唐沢君は、滑舌がいいのか発声がいいのか、とても声の通りが良く、小声や早口のセルフもよく聞き取れた。

大竹しのぶに圧倒された。
可憐で華奢だと感じた登場シーン。返り血を落とすために手を擦り合わせるシーン。マクベスを叱咤するシーン。夢遊病に苛まれたシーン。
大胆で繊細で、憑かれたような大竹しのぶ。観ていて泣きそうになった。すごい人だった。
「奇跡の人」も観たいなあ。今回は名古屋公演あるのか?

・生感溢れる迫力の舞台に、すっかり魅了された。
予習の効果もあって、堪能できた。地元公演があるならまた観たいくらいだ。
心残りは、スタンディングできなかったカーテンコール。
AMP「白鳥の湖」大阪公演の先行予約の案内が貰えて、ラッキー。申し込まないと!

ドリスマオーラスに続き、週に2回も、こんないいものを観てしまっていいんだろうか?