こまつ座「太鼓たたいて笛ふいて」

3月24日 
太鼓たたいて笛ふいて愛知厚生年金会館

林芙美子について殆ど知らない。本も読んだことがない。
・「放浪記」の人
・「放浪記」は森光子が中日劇場で公演している
・見たかったのにTVで特番やったら、翌日から当日券が消えた。 完売で残念。
・先輩Tは、元高校教諭の父が林芙美子が好きで、「ふみ子」と名付けられた。
 彼女は古臭くて不満らしい。
イメージ湧くのはこれくらい。

従軍作家として、”太鼓たたいて笛ふいて”民衆を鼓吹したことは、終戦後自責の念に変わり、
身体に鞭打って、力の限り反戦小説を書き続けた林芙美子
「書かなくてはね」と。

思想の強い話は好きじゃない。
途中、反戦物だったか?と思ったがそうではなく、芙美子の半生を描いたものである。
歌と台詞が織り交ざり、こういうの音楽劇っていうのか?
生のピアノ演奏に合わせて、役者たちが生で歌う。
ハーモニーがきれい。
大竹しのぶと島崎こま子役の神野三鈴の歌う「滅びるにはこの日本、あまりに美しい」は、あまりにも美しい。
歌手ではないのに、みんな声が伸びやかで上手い。
巧いというより真っ直ぐな感じで、ずしんと伝わってくるものがある。

大竹しのぶが観たくて行ったのだけど、また何かで来名の際は逃さないようにしよう。
藤原くんを見ても思ったが、この人も舞台で一番光る人だと思う。
阿南さんは、謎の下宿人で見たような、身体を使った演技が面白い。
この芝居の中で、出汁のような存在。
ふと、これが饅頭7個入った口かぁと思ったりした。

先週の「新選組!」11話、音五郎兄さんの場面、よかったなあ。
兄ちゃんは侍でないから、見定め出来なくて掴まされたのだね。
嬉しそうな兄を見て、弟はその心が嬉しかったのだな。
虎徹にしてみせると言った眼に、一瞬、意志を感じられた所がよかった。

近藤せんせ(と言うか三谷さん?)の計らいで、源さんは家でゆっくりさせて貰えてた。
源さん、江戸には戻って来られなかったから。
「生きようと思えば死なん」と言った永倉とか、
病で亡くなる総司に、色んな薬を持たせる姉のみつとか、
あの辺りは、後を思うと泣けることばかり。

鎧に「関が原じゃあるまいし」と言うのも面白かった。
よく考えると、現在から新選組の頃より、当時から見た関が原はうんと昔のことなので、いかにも古めかしいことが分かる。

多摩の回想シーンで瞬時に泣けるとは、最終回近くはどうなるの涙腺。