「潜水服は蝶の夢を見る」

昨日見たのは「潜水服は蝶の夢を見る
早くもコトイチ

脳梗塞で倒れ、動くのは左瞼だけになってしまったELLE編集長のドミニク42才。
「はい」は瞬き1回、「いいえ」は2回。
特殊な配列のアルファベットを読み上げられるのを聞き、
瞬きで答え文字起しする気の遠くなる作業で綴られた、
ジャン=ドミニク・ボビーの自伝本の実話。

ノローグで話は進みます。
ドミニク目線の映像(瞬きもカメラで表現、涙すると画面が曇る)は、
内から外を見た感じがするので、
”潜水服に閉じ込められた”彼の気持ちが伝わる。

こんな深刻な状態になったことはないけれど、
外耳炎で耳に詰物していた時、
耳が痛いんだか頭が痛いんだか歯が痛いんだか分からない感じで、
だんだん狭いところに閉じ込められた閉塞感で軽いパニック状態に。
その時のことを思い出した。

映画の中でドミニクが言います。
左眼の瞬きの他に、僕には2つの能力が残されている。
想像力と記憶力だ。
それがあるから、僕は潜水服から抜け出していける。

身動きできない彼は想像力で自由になったのです。
余韻がいつまでも残る映画。
でも全編ずっと涙が出る映画、ではない(これも吾郎ポイントとずれ)