さくら満開

”会社員の花見”を初体験してしまった。有志で桜の下での宴だ。

私は山崎川の夜桜が一番好きで、会社帰りに同僚とここに寄るのが、毎年の私の花見だ。
ここはそろそろ歩くだけだが、ライトアップで靄に浮かぶ桜は日本画の様にぼんやりして、ため息が出るほど綺麗。
昼は川面に垂れる枝が華やかで、また夜とは違った美しさだ。飲食禁止なので、みんなのんびり桜を眺めながら歩いているのも、風情があってよい。
花見は日本人の心よねぇとしみじみ感じる場所なのだ。

酒くさい花見は全く行く気がなかったが、八丁味噌のお鍋をやる話に惹かれ、急慮参加。
Kさん家の朝積み自家製野菜が食べられるもの魅力だったのー。食べ物にはヨワイ。
そして、うちの課の男性Gが笑えるほど張りきって準備していたので、それにもノセラレタ。Gは先月「男の料理教室」を終了して、やる気まんまんだ。可笑しい。
急に行くことにしたので、防寒着もなくスカートだけど、まあ、いいや。
職場近くの桜の名所の公園は、専用の照明がない。それでも大勢のグループが騒いでいた。
どこかの会社が、”春の祭典”という感じで、カラオケやストーブ、自家発電の辺り一体を十分に照らす大照明2機、そしてぼんぼりまでも持参し盛大に宴会をしていた。私達はその明りのオコボレをもらうため、近くに陣取った。
早速コンロに点火して、鍋を始めるが、火力が弱く30分以上たっても湯気が立たない。そこで、お調子もんMが、”春の祭典”の女性にワイン1本と引き換えにコンロを借りる取引に行った。隣の席のKK君もこっちのいい男代表として、Mの後ろに付いて行く。成功。さすが合コン大王。
借り物のコンロの威力は素晴らしく、あっという間にグツグツして具をどんどん投入した。
しばらく食べたり飲んだり騒いだりしていると、”春の祭典”は撤収し始めた。
帰ってしまうと、ここの30組程は、真っ暗な中花見をしなきゃならないのだ。大変。急いで鍋を食べないと。
撤収は素早く、とうとう「闇鍋」になった。懐中電灯で鍋を照らさなきゃ。

闇鍋は結構面白かったが、たった一人楽しい席に合わないネッチーな上司がいて、実はムカついていたんだ。これのせいで皆がつまらないじゃねーか。
催促されて、渋々新渡戸君を出していたが、ここはやはり福沢先生だろ。で、「私は行けないけど、これ足しにして。」でしょー。気が効かぬー!