『海ちゃん、おはよう』 椎名誠

今日から9連休に突入。
今回は大してどこも行かず、家で片付けなんかをして過ごす予定。なにしろビデオや本が溜まっているのだ。どうしたものか、「HERO」の2話もまだだったりして・・・。あはは。

この頃、椎名誠が俄然好きになってきた。
前から「好きなタイプは椎名誠でぃ」と答えているが、あの5人組に夢中になっていたら好き度が減っていた。でも、やっぱりよいわーと思うことが、ここ最近多い。

『おはよう、海ちゃん』を読んだら、意外な面にぐんと惹かれた。
実は、とてもちゃんと”女の子の父親”をしていたのだ。
椎名さんと言ったら、どうしてもプロレスごっこや釣りを一緒にする「おとう」のイメージばかりだけど、こんなに心配ばかりしていた、女の子の優しい親でもあったのだ。

らしい、ぷはっと笑ってしまうモノの見方も可笑しい。
例えば、”おんぶというのは、赤ちゃんにとってはいきなり5倍くらいの高さになるわけで、大人の分量に置き換えると一気に屋根の上に跳び上がることになってしまう。ただごとではないぞ。”
”どすどす怪獣みたいな大人が歩き回って、赤ちゃんは、踏んづけられちゃたまらないから早く大きくなって自分で動けるようになろう、って思っている”ってくだり。
そして、”絵本を読んであげる時にタンバリンを叩いて、「海ちゃん絵本劇場」の始まりの合図にしよう。かえるがひっくり返ったカッコでパチパチ手を叩く海ちゃんを想像して笑っている”だいぶんおかしな親でもあった。
あやしい探検隊のシーナさんもいいけど、こんなところがとても新鮮に思える。
私小説ってどこまでが事実なのだろう。

この本の挿絵は、いつものコンビで悪友のヘタうまイラストレータ沢野ひとし氏ではない。非常に珍しい。
沢野さんも、だいぶんおかしな大人だ。こういう人たち、大好きー。