馬耳東風

昨晩、むずむず痒かったので、久々抗アレルギー剤を飲んだ。カビがダメでエアコンを使う時期は苦手だ。電車やビルはカビがうようよに違いない。こわ。
その薬は自分に合っていてよく効くが、とにかく眠い。会社がある日はいいが、休日はだらけて起きられない。
今日は陶芸なのに、ま、いいか〜、と夢の中で勝手に思って眠りこけた。よくはない。やっておくことがあった。

ゴロちゃんが”フォトエッセイ”つーものを出版した。
1年前なら、ぱらぱらと立ち読みで済ませたけど、私の中で稲垣吾郎は旬だ。買った。しかも、会社の近くにも家の近くにもないので、わざわざ地下鉄に乗って(もちろん電車代払ったでー)これを買い求めに出かけるという、気合の入れようだ。
ゴローの中にはゴローの風がいつも吹いていて、いろんなザワザワに、不機嫌になったりきーっとなったり惑わされたりしないのがいいなぁ。変身キャラでありながら二枚目系でもあり、SMAPではいぢられ役。ちゃんとそれを解かっている。

『馬耳東風』という、きっとこの本が出なけりゃ「バジトーフー」なんて言うこともないような書名のこれは、そのタイトルに似つかわしくないとーってもアイドル仕様の装丁がうれしはずかし。中身はゴロちゃんてんこ盛りで、電車の中じゃとても開けやしない本だ。ゴローの本というからには、もっとシックでシンプルな洒落た装丁かと思ってたんだけど。
表を向けても裏を向けても、「わたくし正真正銘イナガキゴローのファンでございます」とレジの人にばれるので、堂々と速やかに会計するのがよいだろう。

アイドル仕様はもったいないんでないかい?「イナガギゴローのファンでございます」の人じゃないと手に取らないかもしれない。装丁を変えたら、もっと色々な人々が読むだろうに。
昨今のタレント生きざま告白本ブームの中、これは”やらしさ”がない気持ちがいいエッセイだ。