「みんなのいえ」試写会

くにえ、最高!

上映の前に、三谷幸喜の舞台挨拶があった。なんたる幸運。試写会は他でもやっているのに。
「きゃあぁー!!」私とNは2階の最前列で手を振った。
三谷さんはかつて「お笑いマンガ道場」の放送作家をしていたそうだ。私は学生時代に、この番組の観覧のバイト(見て笑う人)をよくやっていたのだ。川島なお美が、まだフツウだった頃ね。これはちょっと、嬉しい。

ストーリーは大変シンプル。
職人気質の大工と新進気鋭のデザイナーが、ことごとくぶつかり合いながらも、次第にお互いを理解すると言った話。そして2人の間で右往左往するのが、大工の娘の婿どの、家の施主である。この3人の関係がとても可笑しい。
膝を打つほど大笑いしながらも感動する。隅々まで面白い。
キャストもぴったり。クニエは、慎吾が真似てるクニエみたい。チャーミングでかわいいわー。
慎吾が(ノンクレジットで)出てきたのには驚いた。周りの誰よりもすぐに判った私はエライ。

これは職人賛歌の映画でもあった。
家を作るのも映画を作るのも職人だ。三谷さんは職人がというかプロフェッショナルな人々が好きに違いない。
そして三谷さんにも職人ぽさを感じる。
「こんな雑な仕事したこたぁねぇやぁ」と毒づきながら壊れた家具を再生させる大工。ここ、よかった。
墨壷でぱちんと線を引いてみたくなった。

この映画を見たら、永六輔の『職人』がまた読みたくなった。
インチで寸法を測るデザイナーと、尺を使う大工の場面は、この本にあった薬師寺修復の際、尺貫法が禁止されていたためにメートルで図面を引き、実際には尺貫法の図面を用いて建てたという話を思い出した。

9日土曜から公開だ。また見に行きたい。