錦秋花形歌舞伎 2

七之助ラストサムライのオーディションの話も。
きっかけは、これまで多くのオーディションを受けた獅童くんの勧めもあり、オーディションをセッティングして貰ったことからのようだ。

客席からも質問が。
司会者が見逃したものの、中村兄弟が見つけ小学生男子を指名。
さすが、目配り気配りが行き届いている。
「僕は踊りを習っていて藤娘を踊っているけど、うまく踊れません。どうやったら上手になりますか?」
この子は今日のこのことが、これからの稽古の励みになるだろうなあ。
最後に3人立って挨拶し、幕間。
それにしても、こんなカッコいい3人はそうはお目に掛かれない。うっとり。

●棒しばり
能舞台のような装置。狂言のよう。
曽根松兵衛(獅童)は、留守中に召使太郎冠物(七之助)、次郎冠者(勘太郎
が酒を飲まぬよう、棒しばりと後手に縛って出掛ける。
しかし、さまざまな工夫をこらしてなんとか酒を飲もうとする。
ついに酒を口にした2人は、酔って舞を始める。

踊りが面白く、大いに笑って楽しんでと、観客の反応がとてもよかった。
そして、それに応えるかのように舞い踊る。
踊る2人が、手応えを感じているのがよく分かる。
芸談で、歌舞伎は客席の反応も含めて一緒に作り上げるものだと、勘太郎の話があったが、その通りであった。
笑う―踊る―笑う―踊る 
会場と舞台で交信し合っているみたい。

歌舞伎に感動し泣きそうになるとは、「また観たいと思って頂ければ、何より幸い」の趣旨通りだな。
客層は、若い女性と歌舞伎好き方々の半々。
若手が頑張ることで、若い人たちが劇場へ足を運び、そしてまた観たいと思う。
素晴らしいことよ。